毎日のように大量の書類を郵送する環境では、一通ずつ重さを量って切手を貼り、郵便局の窓口で手続きを行うのは非常に手間のかかる作業です。
バックオフィス部門の生産性を向上させるためには、こうしたアナログな発送工程をいかに効率化するかが大きな課題となります。
そこで有効な解決策のひとつとなるのが「料金後納郵便」という制度です。この記事では、料金後納郵便の仕組みや利用条件、導入することで得られるメリット・デメリットについて詳しく解説します。
料金後納郵便の仕組みと利用条件
料金後納郵便は、郵便物を差し出すたびに料金を支払う手間を省き、1カ月分をまとめて後から精算できる効率化のための仕組みです。
最大のメリットは、発送準備のプロセスを大幅に簡略化できる点にあります。封筒へ「料金後納」の表示を直接印刷、あるいはスタンプすれば、切手を貼る手間や小口現金の用意は不要です。作業がスムーズになるだけでなく、貼り忘れなどのミスを防ぐ手段としても、多くの現場で重宝されています。
ただし、本制度を利用するためには、以下の項目を満たしていなければなりません。
導入の条件
制度の運用を開始するには、主に「発送数」と「承認」に関する基準をクリアする必要があります。
- 月間の発送件数: 郵便物または荷物を、毎月50通(個)以上継続して差し出すことが条件です。
※ここでいう「荷物」に、ゆうメールおよびゆうパケットは含まれません。
※国際郵便の場合、国際小包は月10個以上、EMS(国際スピード郵便)は月4個以上から対象となります。 - 郵便局による事前承認: 差し出しを予定している取扱郵便局へ申請を行い、あらかじめ承認を受けておく必要があります。
また、上記の条件に加えて、1か月あたりの利用見込み額の2倍以上に相当する「担保」の提供を求められるケースがあります。すべての利用者に必須ではありませんが、求められた場合には以下のような資産を提供して手続きを行います。
- 現金
- 日本郵便が定めた有価証券、または各種保証
- 金融機関、あるいは日本郵便が指定する会社による保証
自社の発送状況がこれらの条件に合致しているか、また担保が必要なケースに該当するか、まずは窓口で相談することが導入の第一歩です。
関連記事:料金後納と料金別納の違いを比較!それぞれの特徴や使い分けのポイント
料金後納郵便の利用を開始する手順
料金後納郵便の利用を開始するには、管轄の郵便局へ申請を行い、契約を結ぶ必要があります。実際に利用を始めるまでの具体的な手順は以下の通りです。
1. 取扱郵便局への事前相談
まず、発送拠点となる地域の郵便局で相談を行います。 後納の手続きはすべての郵便局で受け付けているわけではないため、街中の小さな窓口ではなく、集荷や配達を担当している地域の拠点郵便局へ問い合わせるのがスムーズです。
2. 利用承認請求書の作成・提出
相談内容に応じて必要な書類を揃えます。書類は窓口で受け取れるほか、日本郵便のホームページからダウンロードも可能です。
正式名称は「料金後納郵便物等差出承認請求書」ですが、発送場所を増やす場合の「他局差出承認請求書」など、状況に応じて複数の書類が必要になる場合があります。これらの書類に必要事項を記入し、企業の登記簿謄本(写し)や印鑑証明書といった法人の実態を確認できる公的な添付書類と一緒に提出します。
3. 利用開始
契約手続きが完了すると、郵便局から実運用に必要な「ゆうびんビズカード」と「後納郵便物差出票」が届きます。それぞれの役割は以下の通りです。
- ゆうびんビズカード:窓口での差し出し時に、承認済みの利用者であることを証明するためのカードです。これを提示することで、受付時の本人確認や入力作業が簡略化されます。
- 後納郵便物差出票:発送する郵便物の種類や通数を記入する専用の伝票です。毎回、郵便物と一緒に提出することで、1カ月分の利用実績として集計されます。
これらのツールが揃い、封筒への「料金後納」表示の準備(印刷やスタンプ)が整えば、その日から発送を開始できます。
また、日々の業務効率をさらに高める仕組みとして、「後納ポストイン」の活用も検討しましょう。専用ケースに郵便物と差出票を入れて投函すれば、郵便局の窓口へ足を運ぶことなく、近隣のポストからいつでも発送が可能になります。
料金後納郵便の表示規格

料金後納で郵便物を差し出す際は、切手の貼付に代わり、規定のサイズ・形式に沿った表示を表面の所定位置(縦長封筒は左上、横長は右上)に印字する必要があります。この表示には「円形」と「四角形」の2つの規格が用意されており、企業の運用スタイルに合わせて選択が可能です。
いずれのデザインも、上部に承認を受けた郵便局名を記載し、その下部に「料金後納郵便」の文言を配置します。基本レイアウトを維持した上で、四角形のデザインを選択した場合には、表示領域の下半分を企業の自由な広報枠として活用することが認められています。
このカスタマイズ枠には、社名やコーポレートロゴを配置して差出人の識別性を高めるほか、「重要書類在中」といった注意喚起や自社サービスの告知を盛り込むことが可能です。事務的な表示を「視覚的な情報伝達の場」としても機能させられる点は、四角形規格ならではの大きなメリットといえます。
参考:https://www.post.japanpost.jp/send/fee/how_to_pay/deferred_pay/index.html
料金後納郵便のメリットとデメリット
一般的な郵便発送から料金後納へと切り替えることで、実務にはどのような変化が起きるのでしょうか。導入によって得られるメリットと、あわせて把握しておくべきデメリットを整理しました。
導入によって得られる主なメリット
1. 経理事務の大幅な効率化
郵便物を出すたびに経費精算を行う必要がなくなり、従業員が領収書を管理する手間も省けます。また、社内で切手やはがきを常備しておく必要がなくなるため、在庫管理の負担や紛失リスクを解消できるのも大きな利点です。
2. 発送フローのスピードアップ
通常であれば、郵便物の重さを量って対応する金額の切手を選ぶ作業が発生します。しかし、後納郵便なら専用の表示を施した封筒を用意するだけで済むため、サイズや重さを気にせずスムーズに発送準備を終えられます。
3. 利用量に応じたコスト削減
同一種類の郵便物を月間で大量に差し出す場合、「月間割引」というサービスが適用されます。
具体的には、1か月あたり3,000通以上で10%以上の割引が受けられるほか、5,000通以上で15%、10,000通以上では20%といった具合に、発送数が増えるほど経費削減効果は大きくなります。
導入に考えられるデメリット
1. 一定の発送ボリュームが必要
利用条件でも触れた通り、毎月50通以上の発送が前提となるため、発送頻度が極端に低い月がある場合には適しません。「特定の月だけ大量に送るが、普段はほとんど送らない」というケースでは、制度の対象外となる可能性がある点に注意が必要です。
2. 運用開始までに準備期間がかかる
後納郵便は申請して即日に利用できるものではありません。書類の準備や郵便局側の審査・承認といったプロセスがあるため、実際に運用を始めるまでには一定の期間を見込んでおく必要があります。
3. 担保の用意が求められる場合がある
審査の結果によっては、月間の概算額の2倍以上に相当する担保を預けなければなりません。現金や有価証券などでまとまった金額を一時的に用意しなければならない点は、初期段階の検討材料となります。
郵便料金計器の導入による発送業務のさらなる効率化
クアディエントジャパンの郵便料金計器を導入すれば、後納払いの利便性がさらに高まります。
- 作業時間の大幅軽減
- 1通から後払いが可能(50通制限なし)
- 差出票不要でポスト投函が可能
- 窓口持ち込みの手間を解消
- 郵便費の支払いは月一回
- 部課別の集計も簡単確実
- 企業の広告も挿入可能
計量から印字までの自動化により、発送業務に手間を取られず本業に集中できる環境が整います。
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まとめ|料金後納郵便で最適な発送環境を整える
料金後納郵便は、発送業務の効率化や経費削減に大きく貢献する制度です。 一方で「50通制限」や「手続きの煩雑さ」といった運用上のハードルがあるのも事実ですが、これらは郵便料金計器を活用することで解消できます。
自社の発送数や事務工数において、料金後納郵便をどのように運用するのが最も効率的なのか。まずは郵便料金計器の資料請求を通じて、具体的な導入メリットや活用方法を確かめてみてはいかがでしょうか。
