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郵便料金計器の仕組みと使い方を解説|導入までの流れも紹介

2025年11月6日

日常的に郵便物を発送する企業や団体では、切手の購入や貼付、郵便局への持ち込みなど、細かな手間が積み重なりがちです。

業務量が増えるほど、こうした郵送処理の時間や管理コストは見過ごせない課題になります。

このような負担を軽減し、郵送業務を効率化する手段として注目されているのが「郵便料金計器」です。

本記事では、郵便料金計器の仕組みや制度の概要、実際の使い方、導入までの流れをわかりやすく解説します。

郵送業務の効率化を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

Quadientの郵便料金計器の特徴

Quadient(クアディエント)は、日本郵便が承認している郵便料金計器メーカーのひとつです。

郵送業務の正確性と効率性を重視した設計が特徴で、オフィスや事業所の郵便処理を大幅に自動化できます。

自動印字機能

郵便料金計器にはスケール(はかり)が搭載されており、郵便物を載せると自動で重さを計量し、適切な料金を算出します。

算出結果は封筒やはがきに直接印字できるため、切手を購入・貼付する作業が不要です。

印字内容には料金額のほか、差出日や郵便局名などの情報も含まれ、郵便局の取扱条件に適合した形式で印字されます。

ディファレンシャルウェイング(差分計量)

同一サイズで重さが異なる複数の郵便物をまとめてスケールに載せ、1通ずつ取り除くことで差分を自動計測し、個別の料金を算出する仕組みです。

大量の封書を扱う業務でも、1通ごとに計量する手間を省け、正確かつスピーディに処理できます。

厚みのある郵便物への対応

封筒に直接印字できないサイズや厚みの郵便物、小包などにも対応しています。

スケールの範囲内であれば重量を測定し、専用ラベルに料金を印字して貼付することで発送可能です。

関連記事:郵便料金計器の平均的な価格帯|価格を決める主な要素と選び方のコツ

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Quadient郵便料金計器のラインナップ

Quadientの郵便料金計器は、オフィスの規模や郵送量に応じて選べる複数のモデルを展開しています。

ここでは、最新のiXシリーズを中心に、それぞれの特徴と利用シーンを紹介します。

iX-3

iX-3は、小規模オフィス向けに設計されたコンパクトモデルです。

本体サイズを抑えつつも、1分間に最大45通の処理が可能で、日常的な郵送業務をスムーズに行えます。

よく使う郵便種別をショートカット登録できるため、定型業務の効率化にも適しています。

限られた作業スペースでも導入しやすく、はじめて郵便料金計器を導入する事業所にもおすすめです。

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iX-5 HF(ハンドフィード)

iX-5 HFは、1通ずつ手差しで処理するタイプです。

封筒のサイズや厚みが異なる郵便物にも柔軟に対応でき、少〜中量の郵送処理を行う部門単位の運用に適しています。

封筒ごとに内容が異なる場合や、不定形郵便を扱うオフィスでの使用に向いています。

操作もシンプルで、担当者を問わず確実に印字作業を行える点も特徴です。

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iX-5 AF(オートフィード)

iX-5 AFは、自動給紙機構を備えたモデルで、同一サイズの郵便物を連続して処理できます。

1分間に最大110通の処理が可能で、郵送量が多い企業や事務センターなどでの利用に最適です。

高速処理と印字の安定性を両立しており、大量処理を効率よく進めたい現場に適しています。

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iX-7

iX-7は、郵便物のサイズや重量を自動で検知できるオプション機能を備えた高性能モデルです。

毎分150通の高速処理が可能で、大量郵便を扱う企業にも対応します。

最大70部門まで登録できるため、部署別の利用管理やコスト配分にも活用できます。

精度とスピードを両立した運用を求める中堅〜大企業に最適なモデルです。

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IS-280

IS-280は、場所を取らないコンパクト設計が特徴の小型モデルです。

3kgスケールを標準装備し、小包や封書の計量を正確に行えます。

ショートカットキーを登録することで、頻繁に行う設定を簡単に呼び出すことができ、作業時間を短縮できます。

限られたスペースで日常的な郵送処理を効率化したいオフィスに向いています。

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郵便料金計器導入による業務改善の実例

Quadientの郵便料金計器は、医療機関や企業の郵送業務を効率化するツールとして導入が進んでいます。

ここでは、医療社団法人プラタナス 青葉アーバンクリニックでの導入事例を紹介します。

同クリニックでは、郵便物の封入・封かん作業に長時間を要しており、従来は2〜3人で2〜3時間かけて処理していました。

封入封かん機「DS-64i」と郵便料金計器「IS-280」を導入した結果、作業時間は1人で約1時間に短縮。

以前は誤封入を防ぐために慎重に行っていた名寄せ作業も、専用ソフト「PortOne」を利用することで簡単かつ正確に処理できるようになりました。

郵便料金計器の導入後は、切手の貼付や差出表の作成が不要になり、印字作業も空き時間を利用して行えるようになりました。

その結果、新しく開院した関連クリニックの発送業務も同一スタッフで引き受けることが可能となり、発送件数が約300通から500通へ増加したにもかかわらず、残業なしで対応できる体制を実現しています。

郵便料金計器の利用開始までの流れ

郵便料金計器は、購入すればすぐに使用できるわけではありません。

日本郵便による承認や運用上のルールに沿った手続きが必要です。

ここでは、導入から利用開始までの一般的な流れを解説します。

1. 郵便局からの承認を受ける

郵便料金計器で印字した郵便物を差し出せるのは、承認を受けた郵便局の管轄内に限られます。

利用を開始する前に「料金計器承認請求書」を提出し、郵便局から承認を受ける必要があります。

承認には通常2週間程度を要するため、導入を予定している場合は余裕をもって申請を行うことが大切です。

2. ラベル印字と差出の手順

承認後は、郵便料金計器で郵便物の重さを計量し、算出された料金を封筒や専用ラベルに印字します。

印字された郵便物は、以下の場所から差し出すことができます。

  • 登録を行った郵便局の窓口
  • 承認を受けた郵便局の集配管理局窓口
  • 管轄地域内のポスト
  • 集配管理局の管轄地域に隣接する集配局のポスト

印字日付は当日中の差出が原則ですが、印影上部に黒い横線を追加すれば翌日の差出も可能です。

3. 郵便料金の支払い方法

郵便料金計器では、毎月の使用分を月末締め・翌月初めの一括精算で支払います。

機器に表示される使用金額を登録郵便局へ報告し、実際に使用した分のみを支払う仕組みです。

支払い方法は、口座振替・窓口支払い・銀行振込のいずれかから選択できます。

関連記事:郵便料金計器のリースについて|クアディエントはオーダーメイドのプランをご提案

まとめ

郵便料金計器は、郵便物の計量から料金印字までを一括で行える効率的な郵送システムです。

QuadientのISシリーズは、オフィスの規模や郵送量に応じて最適なモデルを選べる点が特徴です。

承認申請や運用ルールなど、導入時に確認すべき手続きはありますが、適切に運用すれば日々の郵送業務の負担を大幅に削減できます。

総務・経理部門の業務改善を目指す企業にとって、有効な選択肢といえるでしょう。

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