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印刷物インサーター導入の費用|削減できるコストや費用対効果は?

2025年7月11日
印刷物インサーター導入の費用|削減できるコストや費用対効果は?

請求書やダイレクトメールなど、大量の書類を郵送するために多くの人手と時間をかけて封入作業をしている企業も少なくありません。

しかし、人手不足が深刻化する中でも生産性を維持・向上していくためには、定型作業を人手に依存せず自動化することが求められます。

印刷物インサーターを導入すれば、封入作業を自動化しさまざまなコスト削減につながる可能性もあります。

本記事では、印刷物インサーターの導入にかかる費用やメリット、どういった現場に向いているのかについて詳しく解説します。

印刷物インサーターとは?

印刷物インサーターとは一般的にインサーター(封入封かん機)ともよばれ、書類の封入作業を自動化するための機械です。具体的には以下の作業を自動化してくれます。

  • 書類の折りたたみ
  • 書類の封入
  • 封かん(封筒への糊付け)

書類を封筒に入れる作業そのものは単純で定型的ですが、膨大な量の書類を郵送するとなると多くの人手と時間を要します。

また、封筒のサイズに合わせて書類をきれいに折りたたむ作業は集中力を要し、封入漏れなどのミスが発生するおそれもあります。

印刷物インサーターを活用すれば、数千通におよぶ膨大な量の書類も1時間から数時間程度で高速に処理でき、人の手を煩わせることがありません。

印刷物インサーターの導入にかかる費用

郵送作業を効率化するために印刷物インサーターは有効なツールではありますが、気になるのは導入や維持にかかる費用です。

メーカーや端末によってもコストはまちまちですが、参考にしていただきたい目安の費用についてご紹介します。

機器本体の価格

一口に印刷物インサーターといってもさまざまなグレードがあります。

1時間に1,000通程度の処理が目安の小型モデルの場合、100万円前後と導入しやすい価格帯です。

これに対し1時間当たり3,000通の処理が可能な中堅モデルでは、数百万円程度が相場となっています。

さらに膨大な書類を処理しなければならない場合には、1時間に5,000通以上の処理が可能な上位グレードの印刷物インサーターがおすすめです。

本体価格は非常に高額で500万円を超えるものもあります。

メンテナンスコスト

印刷物インサーターは導入して終わりではなく、その後もメンテナンスコストが発生します。

たとえば、内部に使用されているゴムや樹脂製の部品は経年劣化に伴い交換が必要であるほか、万が一不具合が発生した際には高額の修理費用がかかることも少なくありません。

関連記事:開封機(レターオープナー)とは?導入メリットと活用シーンを紹介

印刷物インサーターで削減できるコスト

金額だけを聞くと高額なイメージが先行しがちな印刷物インサーターですが、それ以上にコスト削減に貢献できるのも事実です。

人件費の削減

印刷物インサーターの導入によって特に期待できるのが人件費の削減です。

たとえば、官公庁では複数の関係先や住民宛てに書類を郵送しなければならず、そのたびに莫大な人件費が発生します。

また、住宅メーカーでは展示会などのイベントのたびに顧客へダイレクトメールを発送することも多く、特に繁忙期においては営業部署の担当者だけでは手が回らないことも。

印刷物インサーターを導入すれば、限られた人員で効率的に郵便物を準備できます。

作業時間の短縮

印刷物インサーターの導入は金銭的なコストだけでなく、時間的なコスト削減にも効果を発揮します。

人手による作業に頼っていると深夜まで仕事が続くおそれもありますが、印刷物インサーターを導入すれば数千通の書類も数時間で作業を完了できるため時間を有効に活用できます。

特に働き方改革が求められる昨今、企業にとって強い味方になってくれることでしょう。

封入ミス・再送の防止

人の手による作業が長時間にわたると、疲労が溜まったり集中力が途切れるなどして封入ミスが起こるケースもあります。

入るべき書類が封筒に入っていない場合、取引先や顧客からクレームが入り再送の手間がかかることもあるでしょう。

印刷物インサーターを導入すれば一定の作業品質が担保され、封入ミスのリスクを低減できます。

繁忙期対応の負担軽減

売上を最大化するためにも、特に繁忙期においては営業活動に集中したいものです。

しかし、大量の印刷物の封入作業に追われているとそればかりにリソースが割かれてしまい、営業機会を逃がしてしまうことも。

印刷物インサーターを導入することで、繁忙期における事務作業の負担を軽減し、間接的に売上アップへ貢献できる可能性もあります。

外注コストの削減

人手不足が深刻化する昨今、自社のスタッフだけでは業務が回らず外部の専門業者へ業務を委託する企業も少なくありません。

特に印刷物の封入作業は人手がかかる分、真っ先に外注化を検討する作業の代表格といって良いでしょう。

印刷物インサーターを導入すれば外部へ委託する必要もなくなり、外注コストの削減にもつながります。

関連記事:郵便業務のコスト削減と効率化を実現するためには

印刷物インサーターの導入で期待できる費用対効果

手作業の場合、個人差はあるものの1時間あたりの封入スピードは300通程度といわれています。

仮にひと月5,000通の印刷物を準備するとなると約17時間を要し、これを2人の担当者で作業を分担した場合、人件費は約5万円に換算されます。

これに対し、1時間あたり2,400通の封入が可能な印刷物インサーターを導入した場合、作業時間は約2時間と大幅に短縮されます

印刷物インサーターにはミスを未然に防ぐ機能も搭載されているほか、外注コストがかかる心配もありません。

数百万円の初期費用と保守費用がかかったとしても、長い目で考えると十分な費用対効果が見込めるソリューションといえるでしょう。

項目手作業の場合インサーター導入後
封入スピード約300通/1時間(1人作業)約2,400通/1時間
作業時間(5,000通)約17時間(2人×1日)約2時間(1人で対応可能)
封入ミス発生率人為的ミスあり(ダブル封入・漏れなど)読み取り・照合機能でミスを自動防止
必要人員2~3人1人で操作可能
外注コスト繁忙期は外注手配が必要自社内で処理可能
月間コスト目安約5万円(人件費換算)初期費用+保守費用

印刷物インサーターの導入が向いている現場

印刷物インサーターのメリットを最大化し業務効率化を図るためには、どういった現場への導入が向いているのでしょうか。

月間の郵送件数が多い

大量のダイレクトメールや請求書、販促物をひと月あたり数千単位で郵送している企業や部署では、封入作業の負荷が大きくミスも起こりやすくなります。

印刷物インサーターを導入すれば、一度に複数の書類を迅速かつ正確に封入でき、短時間で大量処理が可能です。

期限通りの郵送手配はもちろん、コスト削減や残業削減にも大きく貢献します。

封入作業の人手が多い

封入作業を複数名のスタッフで行っており、そのたびに通常業務に支障をきたしている現場では印刷物インサーターの導入が効果的です。

機械化により、これまで人手に頼ってきた書類の折り込みや封入作業を自動化できるため、担当人数を削減しつつ生産性を維持・向上できます。

定型帳票の発送が多い

毎月同じ形式の請求書やダイレクトメールなど、フォーマットが固定された帳票を定期的に大量発送する業務において印刷物インサーターは最適です。

印刷物インサーターの上位モデルには帳票ごとにグループ分けやソート機能を備えた製品もあり、宛名ごとに帳票を分類し自動的に仕分けして封入できます。

手間を削減できると同時に、帳票の取り違えを防ぎながら短時間での処理を実現します。

封入ミス対策の負担が大きい

誤封入や帳票の抜け漏れがあると顧客や取引先からクレームが発生し、謝罪対応や再発送の対応に追われ現場の負担が増大します。

印刷物インサーターには高度なエラー検知技術が備わっており、書類の重なりや封入漏れといったエラーを未然に防ぎます

これにより封入ミス対策の負担が大幅に軽減され、手戻りや顧客対応コストの低減にもつながります。

自動化・省力化を進めたい

DXやペーパーレス化が推進されている昨今、封入をはじめとした定型的な作業の自動化はこれまで以上に求められるようになりました。

印刷物インサーターは従来の手作業中心のフローを一新するために有効なソリューションであり、帳票の折り込みから封かん、仕分けまでを一括で実行できます。

限られたスペースに設置できるコンパクトなモデルも多く、現場の省力化と生産性アップを同時に実現します。

関連記事:郵便料金計器で簡易書留を利用するメリットとは

印刷物インサーターの購入はクアディエントへ

印刷物インサーターはさまざまなメーカーによって開発されていますが、中でもクアディエントはコンパクトな卓上モデルから汎用性と信頼性に優れた上位モデルまで幅広いラインナップを誇ります。

特に上位モデルは封入封かん作業の自動化はもちろんですが、リモートアシスタンスや診断といった独自のオンラインサービスにアクセスでき、ダウンタイムやメンテナンスコストの削減にも貢献。

医療費請求書や財務関連の帳票といった機密性の高い郵送物を処理できるモデルもあります。

さらに、全モデルにタッチパネル式のインターフェースが搭載されており、初めての方でも直感的な操作が可能です。

大企業や官公庁はもちろんのこと、中小企業やスタートアップ企業向けのモデルもラインナップされているため、自社にマッチした印刷物インサーターをお探しの方はお気軽にご相談ください。

まとめ

印刷物インサーターの導入にかかる費用は数百万円におよぶこともあり、金額だけを見ると躊躇してしまう企業も少なくありません。

しかし、封入作業が膨大で、毎月のように多くの人手と時間をかけている場合、印刷物インサーターの導入によって人件費や外注コストを削減できるのも事実です。

また、手作業だと避けられない封入漏れやミスも、印刷物インサーターによって自動化すれば解消できる可能性が高いでしょう。

日常的に大量の書類を郵送していたり、人手不足にお困りの企業様、自動化・省力化によってコア業務に専念したい企業様は、印刷物インサーターの導入をご検討ください

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